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ROI


return on investment

 投資額に対して、どれだけ利益を生み出せるかの比率。ROIが高いほど投資効率が高く、有利な投資ということになる。投資の最低条件は、ROI資本コストより高いことである。投資に必要な資本を調達する時、その提供者には、会社はそれに見合った報酬を出さなくてはならない。提供額に対するその比率が資本コスト(%)であるから、会社としてはそれを上回る利益率を上げなくてはならない。その投資による儲かり方の程度を表す指標がROI。ただし、ROI自体は本来、個別の投資案件ごとに測定されるもので、その個々の数値を株主や投資家が知ることはできない。この意味で、経営分析で利用される総資本利益率などの財務比率は、そのままROI大きさを表すものではないが、企業が全体としてどの程度の利益率を達成しているかをうかがい知ることはできる。分子を経常利益、分母を総資本としたものを総資本経常利益率と呼び、資本の利用効果率を示す重要な指標である。高度成長期には、製造業ROIは5%前後で推移していたが、景気後退により、1992年度以来2%台程度にとどまっていた。その後2003年度は3.47%、04年度は4.29%まで回復した。ROIの他に株主資本利益率(ROE)と呼ばれるものもあり、株主に帰属する利益の獲得の効率性を意味している。特に米国では経営者の能力を表す重要な指標とされる。




朝日新聞社
「知恵蔵2009」
JLogosID : 14845007