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南北関係が支配、搾取、不平等など、非対称的な結び付きによって特徴付けられていることに着目した概念。国連貿易開発会議(UNCTAD)の事務局長だったR.プレビッシュが、1960年にラテン・アメリカの低開発を説明するモデルとして提起。資源、食糧、加工度の低い製品を輸出する周辺は、技術進歩などの成果を中心に吸い上げられ、一次産品の交易条件が悪化し、経済的不安定と低開発に追い込まれる、と主張。北側で支配的な「遅れた南」という見方に対し、南は北からの浸透を受けて自立的な発展を妨げられた結果「低開発化された」のだという歴史観を背景に、南の研究者・民衆に説得力を持った。現在、政治学・社会学でも非対称性を表現する概念として広く使われる。

![]() | 朝日新聞社 「知恵蔵2009」 JLogosID : 14845958 |