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肺がん


lung cancer

 世界中で最も多いがんで、日本でも1993年には胃がんを抜いて男性のがん死亡率トップとなった。組織型から、小細胞がん、大細胞がん、腺がん、扁平上皮がんの4型に大別される。このうち、小細胞がんを除く3つは、予後や治療感受性がよく似ているので、非小細胞がんとして一括して扱われている。肺がんの最大の危険因子は喫煙で、特に小細胞がん、扁平上皮がんは喫煙と密接な関係にある。1日に喫煙するたばこの本数が多くて喫煙期間が長いほどリスクは高く、また、受動的に煙を吸い込む周囲の人もリスクが高い。初期は無症状だが、進行すると咳、血痰、胸痛などの症状が出る。早期発見が大切だが、通常のレントゲン撮影では発見しにくい。早期発見が可能なのは、ヘリカルスキャンCT検診。早期の治療成績は比較的よい(I期の5年生存率は50%以上)が、進行がんの場合は悪い(転移を伴うIII期以上は同10%以下)。手術ができない時または転移した時は化学療法を行う。




朝日新聞社
「知恵蔵2009」
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