モデュール
【モデュール/モジュール】

module
建築を設計する際に用いられる基準寸法。時代や地域によって異なり、その意味では日本の伝統建築で長らく用いられてきた一間(いつけん)や三尺もモデュールの一種だが、最も一般的には、柱の底面の半径を建物全体の基準に見立てた西洋の古代建築における基準寸法のことを指す。ル・コルビュジエは、この古くからあったモデュールを、黄金分割の発想を取り入れたモデュロール(Modulor:orは金を意味するフランス語)として再構成し、成人男子の理想身長を182.9cmに見立てるなど、具体的な数値と図解によって機能主義建築の必要性を力説、「住むための機械」としての住宅設計に大いに活用した。その強い影響を、日本人の体格に合わせた日本型モデュロールを提唱し、新東京都庁舎の設計に当たってそれを基準寸法として採用した丹下健三にもうかがうことができる。

![]() | 朝日新聞社 「知恵蔵2009」 JLogosID : 4396355 |