林彪事件
【リンピョウジケン】

文革時代、人民解放軍指導者として一貫して毛沢東を支えた林彪・中国共産党副主席兼国防相が1971年9月、毛主席暗殺計画を企てたが成功せず、逃亡途中にモンゴルで墜落死したという衝撃的な事件。彼は69年4月の中国共産党9全大会(第9回党大会)で、毛沢東の後継者に指名されていた。「71年3月、林彪は『〈571工程〉紀要』を作成。9月8日、反革命武装クーデターを起こして偉大な指導者毛主席を謀殺し、別に中央を作ろうとするところまで突っ走ったのである。陰謀が失敗に終わった9月13日、彼はひそかに飛行機に乗って、ソ連修正主義に身を投じ、党を裏切り、国に背き、モンゴルのウンデルハンで墜死した」――73年夏、中国共産党10全大会(第10回党大会)で周恩来首相は、林彪事件についてこのように報告した。この事件には、現在でも多くの謎が残されているが、事件の基本的性格は、文革期における軍と党・行政官僚トップの対立ととらえることができる。

![]() | 朝日新聞社 「知恵蔵2009」 JLogosID : 4396686 |