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飽かず
【あか・ず】


動詞「あく(飽く)」の未然形に打消の助動詞「ず」が付いた語。多く連用形を副詞的に用いる。「飽く」の意味である、満足する・飽きるのいずれの打消表現としても用いられる。


[1]不満足だ。名残惜しい。
[例]あかず、惜しと思はば、千年(ちとせ)を過ぐすとも、一夜(ひとよ)の夢の心地(ここち)こそせめ」〈徒然・七〉
[訳]「(自分の命の長さに)不満足で、惜しいと思うならば、千年を過ごしても一夜の夢のように短い気持ちがするであろう」
[例]「さばかりおそろしげなる山中にたちて行くを、人々あかず思ひてみな泣く」〈更級〉
[訳]「(女たちが)これほど恐ろしげな山の中に帰っていくのを、人々が名残惜しく思ってみな泣く」
[2]飽きない。いやになることはない。
[例]「魚(いを)は水にあかず」〈方丈〉
[訳]「魚は(一生水の中にいて)水がいやになることはない




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5070085