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几帳
【き-ちゃう】


[名]

き-ちゃう【几帳】(―チョウ)平安時代、室内を仕切ったり、座のそばに立てて隔てにしたりした、移動可能な調度。土居(つちい)(=台)に足(=柱二本)を立て、手(=横木)を渡し、帷(かたびら)(=垂れ衣(ぎぬ))を垂らした。足の高さにより三尺(=約九十一(センチメートル))、四尺(=約百二十一(センチメートル))があった。帷は夏は生絹(すずし)、冬は練(ね)り絹を用いた。
[例]「あをやかなる御簾(みす)の下より、きちゃうの朽木形(くちきがた)いとつややかにて」〈枕草子・なまめかしきもの〉
[訳]「青々としている御簾の下から、几帳の朽木形(=腐った木に残った木目をかたどった模様)がとてもつやがあって美しいようすで」




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5076851