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奥床し
【おく-ゆか・し】


[形][シク](しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ

((「ゆかし」は心ひかれる意))[1]もっと見たい。もっと聞きたい。もっと知りたい。
[例]「いつしか聞かまほしくおくゆかしき心地するに」〈大鏡・序〉
[訳]「早く聞きたくて、もっと知りたい気持ちがしていると」


[2]深みがあって心がひかれる。深い心づかいが感じられて慕わしい。
[例]「されくつがへる今様(いまやう)の由(よし)ばみよりは、こよなうおくゆかしうとおぼさるるに」〈源氏・末摘花〉
[訳]「(光源氏は)あまりにしゃれている当世風の気取り屋よりは、(古風な末摘花(すえつむはな)は)段違いに深みがあって心がひかれると思いなさるけれども」
<参考>用例中の「おくゆかしう」は連用形「おくゆかしく」のウ音便。




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5082158