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こそ-あら-め
【こそ-あら-め】


((係助詞「こそ」+動詞「あり」の未然形+推量の助動詞「む」の已然形))[1]〔文中に用いて、下に続いて〕(逆接を表して)…いいだろうが。
[例]「思ひ出(い)でてしのぶ人あらんほどこそあらめ、そもまたほどなくうせて」〈徒然・三〇〉
[訳]「(死んだ人を)思い出してなつかしむ人がいるような間はいいだろうが、その人もまた、まもなくこの世からいなくなり」


[2]〔文末に用いて、終止して〕(適当・勧誘を表して)…のがいいだろう。
[例]「いかにもいかにも、心にこそあらめ」〈更級〉
[訳]「どのようにでも、心のままにするのがいいだろう
[3]〔「ばこそあらめ」の形で、活用語の未然形に付いて〕…(ならば)具合がいいだろうが。また、…(ならば)具合が悪いだろうが。
[例]「何かは、今始めたることならばこそあらめ」〈源氏・賢木〉
[訳]「いやなあに、今始めたことならば具合が悪いだろうが
<参考>実質的な意が省かれた表現なので、「こそよくあらめ」「こそ悪くあらめ」のように「よく」「悪く」などを補ってみると分かりやすい。




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5099381