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まゐら-せ-たま・ふ
【まゐら-せ-たま・ふ】


まゐら-せ-たま・ふ【参らせ給ふ】(マイラセタマ(モ)ウ)((謙譲の動詞「まゐる」の未然形+使役・尊敬の助動詞「す」の連用形+尊敬の補助動詞「たまふ」))[1]〔「せ」が使役の場合〕<ア>参上させなさる。参内(さんだい)させなさる。
[例]「慰むやとさるべき人々をまゐらせたまへど」〈源氏・桐壺〉
[訳]「(桐壺(きりつぼ)の帝(みかど)は悲しみが)慰められるかと、しかるべき方々を参内させなさるけれど」


<イ>差し上げさせなさる。おさせになる。
[例]「わらは病(やみ)にわづらひ給ひて、よろづにまじなひ、加持(かぢ)などまゐらせたまへど」〈源氏・若紫〉
[訳]「(光源氏が)おこり(=高熱を発する病気)に苦しみなさって、さまざまなまじないや、加持祈祷(きとう)を(行者に)おさせになるが」
[2]〔「せ」が尊敬の場合〕<ア>参上なさる。参内なさる。
[例]「宮は内裏(うち)にまゐらせたまひぬるも知らず」〈枕草子・関白殿、二月二十一日に〉
[訳]「中宮様は宮中に参上なさったのも知らないで」
<イ>差し上げなさる。差し上げあそばす。
[例]「御堂(みだう)より御装束(さうぞく)一領(ひとくだり)してまゐらせたまふ」〈栄花・ころものたま〉
[訳]「御堂(=藤原道長様)から(藤原公任(きんとう)殿に)お着物一そろえを差し上げあそばす




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5101008