100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

さ-ばかり
【さ-ばかり】


[副]

副詞「さ」に程度の意の副助詞「ばかり」の付いた語。すでにある事柄の程度や限度を表す。程度については、よい場合にもよくない場合にも用いられる。また、程度のはなはだしさ、およびその強調の意にも用いられる。


[1]それほど。そのくらい。その程度。
[例]「この殿の御心、さばかりにこそ」〈徒然・一〇〉
[訳]「この方(=後徳大寺大臣(ごとくだいじのおとど))のお心は、その程度であられたのだ」
[2]あれほど。あんなにまで。
[例]さばかりあてにうつくしき程よりは、九重(ここのへ)のうちになかぬぞいとわろき」〈枕草子・鳥は〉
[訳]「(うぐいすは)あれほど上品で愛らしいわりには、宮中で鳴かないのはとてもよくない」
[3]非常に。たいそう。
[例]さばかり寒き夜もすがら、ここかしこに睡(ねぶ)り居たるこそをかしけれ」〈徒然・二三〉
[訳]たいそう寒い夜を通して、あちらこちらに居眠りしているのも興のあることだ」




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5105634