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無鉄砲とは鉄砲を持たないこと?


夏目漱石の小説『坊っちゃん』には、「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」とあります。「素手で危険に飛び込んで行くような向こう見ず」を「無鉄砲」と呼びます。
さて、「無鉄砲」は鉄砲とどう関係があるのでしょうか。鉄砲を持たずに敵陣に突撃することから来たのでしょうか?
実は、鉄砲とはまったく関係がありません。「無鉄砲」は当て字で、「無手っ法」あるいは「無手法」と書くべき言葉なのです。まさに字の通り、方法や思慮のないまま物事をするやり方を表します。
さらに『広辞苑』によれば、「無点法(むてんぽう)」から転じたとあります。これは、返り点や送りがながない漢文のように、事がはっきりしないことを意味します。




角川学芸出版
「話を盛りあげる究極の雑学」
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