病気見舞いに、「仕事は心配しないでね」とはいわない

病気見舞いは、ただ顔を出せばいいというものではありません。
まず、前もって電話などで、家族に病人の様子を尋ねるのがマナーです。タイミングとしては、病状が回復に向かったころに、うかがうのがベストです。
かなり重い場合は、病室にはうかがわず、家族に会ってお見舞いの品をことづけ、病状などをうかがう程度に止(とど)めます。
病人と顔を合せたら、「いかがですか?」と声をかけ、あとは本人が口にする話題を静かに聞くというようにしましょう。本人が口に出さないのに、「それでどうなの?」「手術はどうでした?」などと病気について聞くのは控えます。
失言で多いのは、「会社のことは心配しないでね」とか「仕事は私たちに任せて、ゆっくり養生してください」というような言葉です。
病気になると、まず、気になるのが会社や仕事のことです。こういってあげるのは行き届いた心づかいのように感じられますが、取りようによっては、「自分がいなくても会社は何も不自由しないんだな」となってしまいます。
「やっぱり、課長がいらっしゃらないといまひとつ、意気が上がりません」とか「みな、一日も早い復帰をお待ちしています」などと、その人の抜けた穴が大きいことを感じさせる表現で、心から励ますようにします。

![]() | 角川学芸出版 「社会人話し方マナーとコツ」 JLogosID : 5200171 |