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苦悩を突き抜けて歓喜にいたれ


【名言名句】
苦悩を突き抜けて
歓喜にいたれ

【解説】

日本では年末になると必ず演奏されるベートーヴェンの『交響曲第九番』だが、有名な第四楽章の「合唱」は、シラーの『歓喜に寄す』に曲をつけたもの。
ベートーヴェンは、早くからこの詩に曲をつけようと試みているが、結果的には『交響曲第九番』として世に出るまでに、三十年以上の月日が流れている。この間、彼は音楽家として致命的な難聴に苦しみ、弟の死と甥の後見問題で心を悩ますが、そうした多くの苦悩の果てに、名曲「歓喜の歌」を生み出したのである。『交響曲第九番』初演時のエピソードによれば、曲が終わったときの聴衆の歓声と喝采も聞こえないほど、ベートーヴェンの難聴は進んでいたという。
【作者】ベートーヴェン
【生没年】1770~1827
【職業】ドイツの作曲家
【参考】ロマン・ロランは、『ベートーヴェンの生涯』の最後でベートーヴェンのこの言葉を引いて「この言葉の中には彼の生涯が煮つめられており、またこれは、雄々しい彼の魂全体にとっての金言でもあった。」と締めくくっている。ロランベートーヴェンに関する著作は多いが、『ジャン・クリストフ』もベートーヴェンがモデルである。




あすとろ出版
「名言名句の辞典」
JLogosID : 5450453