茶志骨原野
【ちゃしこつげんや】

根室地方の標津(しべつ)川南岸にある原野。根室海峡に面し,海岸部は標津町,内陸部は中標津町に属する。標高20m前後の台地をなし,かつては当幌および標津原野の一部とみなされ,「殖民状況報文根室国」には「チプル川ノ南当幌原野,チプル川(茶志骨川か)ノ北標津原野ノ各一部ハ当村ニ属シ,河岸ノ地ヲ除クノ外皆高原樹林ニシテ放牧ニ適ス」とある。原野の北端は漁村集落として開けたが,原野の開拓は遅れ,大正5年の開墾面積1,475町,入地戸数はわずか2戸であった。その後許可移民の増加につれ同14年には総面積1,501町のうち,処分地は870町,植民戸数も45戸になった。当時の「根室要覧」には付近の同規模の原野として,平糸原野(1,501町)や忠類原野(2,165町歩)が記される。昭和8年以後の「主畜農業五ケ年計画」により酪農への転換が進められ,酪連工場の設置を機に茶志骨に集乳所が設置された。戦後はこの原野をはじめ,一帯が高度集約酪農地域に指定されたことから,酪農化が一層推進された。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7005038 |





