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日高支庁
【ひだかしちょう】


(近代)昭和7年~現在の支庁名。はじめ北海道庁,昭和22年からは北海道の下級官庁。浦河支庁が改称して成立。北海道の南部。昭和6年静内まで延長された国鉄日高線(現日高本線)は,同8年三石,同10年浦河,同12年様似(さまに)まで開通,同13年には様似~広尾間の道路が開通。バスによって十勝国と結ばれた。昭和10年の世帯数1万4,035・人口7万5,338,産業生産額は農業の不作があったが,農産171万6,337円・畜産46万9,310円・水産568万1,032円・林産221万6,226円・工鉱産1万7,188円で,主要生産高・漁獲高は,米44万9,993円・燕麦25万9,348円・大豆20万4,788円・馬鈴薯10万587円・小豆7万4,791円,沿岸漁獲物236万1,960・遠洋漁業101万7,875円,水産製造物171万4,112円,林産物は221万6,226円で,うち木炭が67万6,961円・畜産生産高は45万9,310円で,うち馬25万6,166円であった。大正初期に発見された沙流(さる)川上流のクローム鉱は満州事変によって好景気を迎え,日東鉱業・八田鉱業によって採掘され,昭和13年には年産2万tを産出,国内クローム生産の60%を占めた。昭和22年新冠(にいかつぷ)御料牧場は農林省新冠種畜牧場と改称。戦後競馬が復活すると,各地に軽種馬生産振興会などが設立され,特に門別・新冠・浦河が有名。昭和25年えりも岬を中心とする一帯が襟裳道立自然公園に指定され,同56年襟裳日高山脈国立公園となる。昭和25年には1万9,127世帯・10万3,446人,同35年には2万5,207世帯・12万3,095人で,産業別人口は農業2万6・林業3,464・漁業6,529・鉱業317・建設業7,183・製造業4,867・卸売小売業5,155・金融保険不動産業346・運輸通信業2,309・電気ガス水道業239・サービス業5,496・公務1,621。昭和30年以降,酪農・畜産の大規模農業が発展し,牛乳・肉用牛の生産農家が増えたが,農業人口は減少,漁業は漁獲から養殖への転換を計っているが漁業人口も減少しており,林業も不振で,第1次産業の人口減少が目立っている。鉱業は鉱山不況によりほとんどが閉山した。同45年の世帯数2万9,046・人口8万6,963。水稲・畜産を中心とした農業,軽種馬生産,コンブ・サケ・スケソウダラ・イカ・タコを中心とした漁業が主産業であり,農業は沙流川・門別川・厚別川・新冠川・静内川・元浦川・春別川の各流域を中心とし,牧畜は門別・新冠・浦河の丘陵台地で発達,漁業は富浜・門別・厚賀・新冠・静内・春立・三石・浦河・様似・幌泉・庶野などに漁港を有し,沿岸および沖合漁業を行っている。当地の特産品は全域で生産される日高コンブ(三石コンブ)・門別のシシャモ,沙流川流域の日高石など。現在の管轄地域は,沙流郡・新冠郡・静内郡・三石郡・浦河郡・様似郡・幌泉郡の9自治体。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7007185