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向浜
【むかいはま】


(近代)昭和10年~現在の行政字名。はじめ上ノ国村,昭和42年からは上ノ国町の行政字。もとは上ノ国村大字上ノ国村の一部。地名の由来は,当地が上ノ国村の一部であったことから,天ノ川の向い側の浜の意でつけられたと思われる。また,アイヌ語のムッカ,ム,ムーはふさがることを意味し(地名アイヌ語小辞典),河口がふさがることと関連があるかもしれない。寛文5年春には天河(てが)(天ノ川)の河口が陸となったという記録もあり(福山秘府年暦部/新撰北海道史5),近年も春先に河口がふさがったことがある。江戸期は鰊漁のための漁小屋が立ち並んでいた(上ノ国村史)。天保2年川裾神社創立。安政3年の家数16(笹浪家文書/上ノ国村史)。江戸期に栄えた木材の搬出は明治以降も続き,駄馬や三半船・川崎船などで江差や近隣の漁村へ薪や燃料として売り当地は活況を呈したが,昭和11年国鉄江差線が開通すると,伐木の流送は行われなくなった。昭和初年からイワシ漁が盛んになり地引網漁が行われた。しかし,これは一面地内で行われたコウナゴの地引網漁とともに天ノ川目名川に孵化放流したサケの稚魚を打尽にするという隘路ともなり,同30年代後半にはこれらの漁獲高も激減した。世帯数・人口は,昭和26年41・252,同40年39・160,同55年32・95。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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