若園
【わかその】

(近代)昭和29年～現在の行政字名。はじめ新冠(にいかつぷ)村，昭和36年からは新冠町の行政字。もとは新冠村大字滑若村の一部，滑若。かつてはヤムワツカ・スネナイと呼称されたアイヌ集落の地域で，新冠御料牧場の一部。御料牧場の義務人夫小作農の入地があったが，本格的開拓は戦後の同牧場開放に伴う38戸の入植による。昭和30年の農家戸数は38戸で，水田29反・畑1,678反・採草牧草地2,239反・乳牛15頭。同30年豪雨による新冠川の氾濫で，流失家屋６戸・全壊１戸・床上浸水６戸の被害を受ける。同31年乳牛の生産がはじまり雪印乳業へ出荷する。同33年高台地区の27戸に電灯がつく。同35～38年の過剰入植地などの対策，および同39～48年の離農助成対策により，昭和35年から離農者が増加した。同36年ハッカ工場が設立され，29戸の農家により同39年まで操業。昭和38年ビートの作付け開始。同39年の乳牛飼育農家26戸・乳牛124頭，馬飼育農家30戸・馬34頭（うち軽種馬２頭）。同40年トラクター利用組合が設立され，馬耕から機械化農業へ進展。同年御影橋が永久橋として完成。同44～45年御影橋上流域で大型造田事業がはじまり32町歩の水田が完成。同49年若園中学校が新冠中学校に統合され閉校。同53年地内で初めてホルスタインの肉専用基牛の生産が始まる。世帯数・人口は，昭和35年76・386，同38年55・295，同55年37・156。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7009643