100辞書・辞典一括検索

JLogos

29

杉村
【すぎむら】


旧国名:陸奥

(近世)江戸期~明治初年の村名。津軽郡田舎庄のうち。古くは小屋敷村という(元禄14年絵図)。梵珠山南の丘陵先端部に位置し,東から南にかけて浪岡川が流れる。宝永元年銀村を分村したとあるが(県租税誌),当村が銀村から分村したとも伝える(吉野田八幡宮神官長利家系譜)。また安永・天明年間頃から両村の集落は連なり杉白銀村と通称されたという(野沢村誌)。「永禄日記」も杉白銀と記す。弘前藩領。村高は,「正保高帳」357石余,「貞享4年検地水帳」785石余(田703石余・畑屋敷82石),享保12年村日記733石余(田635石余・畑98石余),「天保郷帳」657石余,「旧高旧領」には板村と見え736石余。正保年間の屋敷数17。「貞享4年検地水帳」によれば,反別は田69町余・畑屋敷18町余。元禄3年には増館組に属し,村位は下(平山日記)。天和3年の御代官所村家人数之帳(八木橋文庫蔵)に下ノ切御代官所支配の新田村として杉新田の名が見える。また杉地子新田も当村の新田であったように思われる。いずれものち当村のうちに含まれるようになったと考えられる。享保年間以後と思われる図では銀村と当村の間に一里塚があり,当村内2町22間,樽沢村との間は6町10間。氏神は観音堂(野沢村誌)。天保7年杉白銀村として家数70・人数365,田87町余(内見秘書,百川家蔵)。明治4年弘前県を経て,青森県に所属。「国誌」の銀村の項に「北は杉村に連る」と見える。明治初年銀村の一部となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7011437