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吉野鉱山
【よしのこうざん】


南陽市北部の吉野川上流,大字荻地内にある鉱山。吉野鉱床・神明鉱床・日坂鉱床の3鉱床からなる。開発は戦国期伊達氏時代に溯るともいうが,米沢藩治下で金山・亜鉛山として採掘されたことに始まると見られる。鉱石はヤニと通称される閃亜鉛鉱が主で精錬が困難なことから重視されなかった。明治期に入ると亜鉛・金・銀・銅鉱の採掘が行われるようになり,吉野鉱床中の恵美須鉱床を銅山として有望視した古河市兵衛が明治32年に買収し,採掘が試みられたが採算が合わず休山した。ついでベルギー人ファーブルランドが亜鉛山として採掘,大正4年8月には久原鉱業が吉野鉱床全山を買収して閃亜鉛鉱の露天掘りを行った。第1次大戦下の好景気のもとで一時は1,000人に及ぶ従業員が働いた。神明鉱床・日坂鉱床ともに金山として開発され採掘されている。第1次大戦後の不況下で一時荒廃したが,昭和26年吉野探鉱所として再開され,日本鉱業株式会社が経営にあたり,現在では県内で最も大規模な黒鉱鉱山となっている。第2次大戦後,精錬所から吉野川に流された廃水にカドミウムが含まれていたことが判明し,吉野川の水を用いていた大谷地西域の水田に大きな被害をもたらし本県最大の鉱害として社会問題化した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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