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三蔵川
【みくらがわ】


那須郡那須町を流れる川。那珂川水系。流路延長14.3km・流域面積28.2km(^2)。福島県境の峠の南から発し,那須町の東部を南西流して黒川に合流する。源流部は八溝山塊の北端に近く,古生層とそれに貫入した花崗岩帯を刻んで南西流し,南から梓川・大和須川を合わせ,北から奈良川を合わせ,伊王野を流れて大秋津で黒川に注ぐ。多くの細流を集め,周囲には500~600mの山地がそびえる。一帯は狭小な谷間で,八溝スギなどの林業と稲作が行われる程度で,生産力が低い。当川沿いには古代・中世の東山道と関街道が走っていた。源流部の追分をすぎると低い峠で,付近に白河関所跡がある。中流右岸には国重文の三森家住宅があり,下流右岸の段丘上には伊王野城跡がある。伊王野の宿街は鉤形路となっており,温泉神社・専称寺・正福寺などの古刹が山麓に並ぶ。古代以来の伊王野宿は,江戸期に奥州街道が北西側の芦野に移ったため,付近の農村への在町にとどまっている。下流左岸には近年ゴルフ場が造成された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7043766