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関越自動車道
【かんえつじどうしゃどう】


東京都と新潟県を結ぶ高速自動車道路。練馬インター(東京都練馬区)を起点とし,長岡インター(新潟県長岡市)で北陸自動車道と接続する。練馬インター~長岡インター間の総延長244.5km。さらに,藤岡ジャンクションより分岐して長野県を通り,新潟県上越市に至る上越線も昭和67年度開通予定。昭和32年4月16日付公布の国土開発幹線自動車道建設法に基づき,日本道路公団が建設。昭和42年2月東京川越道路を一般有料道路として着工,同46年12月練馬~川越間21.2km供用開始。昭和48年4月1日高速自動車国道に昇格,関越自動車道に名称変更。昭和50年8月8日川越~東松山間18.2km,同55年7月17日東松山~前橋間52.7km,同60年10月2日前橋~湯沢間74.9km供用開始。車線は起点~前橋間暫定4車線(完成6車線)・前橋~月夜野間4車線・月夜野~湯沢間暫定2車線(完成4車線)。新潟線の本県通過地は藤岡市の埼玉県境より北上し,多野郡新町の南西端から再び藤岡市を通り,佐波郡玉村町・高崎市・前橋市・群馬郡群馬町・北群馬郡,平成3年からは吉岡町吉岡村・渋川市・勢多郡北橘村・赤城村・利根郡昭和村・沼田市・利根郡月夜野町を経て,水上町の関越トンネル内で新潟県南魚沼郡湯沢町に至る。県内延長約76.3km。100m以上の橋梁24,トンネル2。ジャンクション1(藤岡),インターチェンジ7(高崎・前橋・渋川伊香保・赤城・沼田・月夜野・水上),サービスエリア1(赤城高原),パーキングエリア3(駒寄・赤城・下牧)。渋川伊香保インター~水上インター間は赤城山麓の多くの浸食谷と,片品川・利根川横断地点での高低差の激しい段丘部を通過する。特に渋川伊香保インター~沼田インター間は狭隘な地形を通過する山岳道路となり,高橋脚の長大橋梁が多い。昭和村永井の永井川橋(橋長上り487m,下り478m)は75.9mの高い橋脚。昭和村糸井と沼田市下久屋を結ぶ片品川橋は橋長1,033m,橋脚高69.4m,総工費129億7,800万円で,国内最大規模の山岳道路橋。また,上越国境谷川岳連峰を横断し,月夜野町大字石倉と新潟県湯沢町大字土楢を結ぶ関越トンネルは,延長・設備・規模などからわが国最大であり,世界的にも屈指のトンネルとなっている。延長10.9km,世界初の電気集塵機付立坑送排気型縦流換気方式を採用,建設費約600億円,4車線の計画で暫定施工として下り線のみを建設。このため月夜野~湯沢間が暫定2車線となっており,土・日・祝日には大渋滞となる。積雪時用にトンネルの両側にはチェーン脱着用のパーキングエリアが設けられているが,この出入りで渋滞の深刻化が懸念されており,早期4車線化が図られている。一方,上越線の本県通過地は,藤岡市より西へ走り,多野郡吉井町・甘楽(かんら)郡甘楽町・富岡市・甘楽郡下仁田町・妙義町を経て,碓氷(うすい)郡松井田町から再び下仁田町の北西部を通過し,長野県佐久市に至る。県内延長約56.9km,藤岡(既設)・吉井・富岡・下仁田・松井田・碓氷各インターチェンジが発表されている。埋蔵文化財の発掘対象地域が約100万m(^2)に及ぶことが判明し,昭和61年度から4年間とされる調査の進展状況が注目されている。両路線が完成すれば,本県と首都圏・新潟との結びつきが強められ,物資交流の面のみならず,文化交流の面においても重要な自動車道となる。また,温泉・スキー場・ゴルフ場などの観光資源の開発にも大いに役立つことになろう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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