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浄法寺
【じょうぼうじ】


旧国名:上野

神流(かんな)川下流左岸の河岸段丘上に位置する。北部は関東平野の一隅に続く。地名は広厳山般若浄土院浄法寺の寺号に由来する。同寺の前身緑野寺(緑野教寺)は延暦4年道忠禅師の創建と伝える,天台宗東国布教の中心道場で,弘仁年間嵯峨天皇から寺領として緑野(みとの)郡を賜わったという。戦国期には多くの僧兵を擁し,平井城主上杉氏の有力な戦力となった。天文21年小田原北条氏方の高山氏に攻められ,山門を残してことごとく焼失。弘治2年舜祐和尚が中興した。寺内に聖徳太子供養塔,弘仁8年伝教大師が安東の相輪橖を創建(寛文12年改造),明応5年銘の道忠禅師供養塔などが残る。永禄年間武田氏攻略により曹洞宗大竜山永源寺の寺領となる。地内の根古屋にある浄法寺地域城の一堡塁三ツ山城跡は,斎藤実盛の後裔と称する長井(永井)氏が南北朝期に築城。字内出の浄法寺館跡は同氏の居館。永禄年間同氏の群馬郡島名城への移封のあと,弘治元年浄土院が西の丘の上から移転する。
浄法寺郷(中世)】 戦国期に見える郷名。
浄法寺村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
浄法寺(近代)】 明治22年~現在の鬼石町の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7045789