信越本線
【しんえつほんせん】

群馬・長野・新潟3県にまたがるJR線。延長326.3kmの複線。高崎駅(高崎市)と新潟駅(新潟県新潟市)とを結ぶ。中山道に沿った鉄道の敷設は明治4年に工部省で官設鉄道中山道東部幹線として計画され,明治17年に高崎~横川(碓氷(うすい)郡松井田町)間で着工した。明治18年高崎~横川間が開通し,県内初の官設鉄道になった。同時に,鉄道建設の資材輸送線として軽井沢(長野県北佐久郡軽井沢町)~直江津(新潟県上越市)間の鉄道建設が始まり,明治19年直江津~関山(新潟県中頸城郡妙高村)間が,同21年5月,関山~長野(長野県長野市)間が,同年12月に長野~軽井沢間が開通し,直江津~軽井沢間は直江津鉄道と呼ばれた。碓氷峠区間の横川~軽井沢間は碓氷馬車鉄道で結ばれていたが,明治26年に碓氷峠にアプト式鉄道が完成し,高崎~直江津間は全線開通した。この鉄道は関東地方と長野・新潟両県を結びつけるだけでなく,太平洋側と日本海側との連絡を強化し大量の物資輸送や軍事輸送に利用されるようになった。そのため,中山道や三国街道の道路交通は大打撃を受け,街道や宿場の衰退の大きな原因にもなった。さらに明治37年には直江津~新潟間が北越鉄道により建設され,翌年には上野~新潟間に直通列車が通るまでになった。北越鉄道は明治40年に国鉄に編入され,以後高崎~新潟間は信越本線と呼ばれるようになった。全線の複線化と電化は碓氷峠のアプト式軌道が廃止され,新碓氷トンネルが開通した昭和46年以降であった。現在,駅数は81で,高崎駅では上越線・上越新幹線・両毛線などに,小諸駅(長野県小諸市)では小海線に,篠ノ井駅(長野県長野市)では篠ノ井線に,豊野駅(長野県上水内郡豊野町)では飯山線に,直江津駅では北陸本線に,柏崎駅(新潟県柏崎市)では越後線に,東三条駅(新潟県三条市)では弥彦線に,新津駅(新潟県新津市)では羽後本線と磐越西線に,そして新潟県では越後線と白新線に接続している。県内には高崎・北高崎・群馬八幡(以上高崎市)・安中・磯部(以上安中市)・松井田・西松井田・横川(以上碓氷郡松井田町)の8駅が設けられ,高崎駅は乗継地として,横川駅は碓氷峠前後の休憩地として特急停車駅になっている。近年では上越線の整備や上越新幹線の開通により,高崎~新潟間の直行列車はなくなり,関東地方と新潟県とを結ぶ本来の機能は薄らいできた。代わって関東地方と北陸本線沿線地域とを結びつける路線として重要性は高くなっている。さらに,上信越高原国立公園内を走る路線であるため,観光客やスキー客の利用も多く、観光ルートにおいて重要な路線にもなっている。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7045837 |





