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戸矢郷
【とやのごう】


旧国名:上野

(中世)南北朝期~室町期に見える郷名。甘楽(かんら)郡のうち。鳥屋郷とも書く。文和元年12月27日の足利尊氏御判御教書写(蜷川親治氏所蔵文書/県史資料編6)に「法泉寺雑掌申上野国雀袋・戸矢両郷事,為厳重寺領寄附之処,新田兵庫頭義高已下元輩并長尾左衛門入道等,称拝領及違乱云々」と見え,法泉寺領であった当郷は新田義高および長尾景忠らによって押領されていたことが知られ,上野守護宇都宮氏綱に対し,煩いを停止することを守護代に伝えるよう命じている。明徳4年11月15日の中院通氏寄進状(妙顕寺文書/県史資料編7)には「上野国戸矢郷,為造営,所奉寄附当寺(妙本寺)也」と見え,中院通氏が,妙本寺造営料所として当郷を寄進したことが知られる。下って応永3年7月23日の管領斯波義将施行状(上杉家文書/同前)によれば,上野国守護上杉憲定の代官に沙汰付けされた所領の中に「上野国鳥屋郷」が見え,当郷が守護領として安堵され,現地では守護代が知行にあたっていたことが知られる。現在の甘楽町天引の小字に下鳥屋南・下鳥屋北・上鳥屋南・上鳥屋北があり,この付近に比定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7046312