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本郷村
【ほんごうむら】


旧国名:武蔵

(近世)江戸期~明治12年の村名。県南東部,大宮台地の南端に位置する。足立(あだち)郡谷古田領のうち。古くは谷古田郷に属したといい,その中心的な村であったという。幕府領。検地は元禄8年。村高は「田園簿」で780石余,うち田558石余・畑221石余,「元禄郷帳」856石余,以後変わらず。村の規模は東西11町・南北15,6町。化政期の家数が106軒。助郷は日光街道草加宿に出役。多少の起伏があり,低地は水田が主で,見沼代用水を利用。丘陵地は畑作地で,主に大麦・里芋などを生産。鎮守は氷川稲荷・白山合社,神社はほかに弁財天社。寺院は曹洞宗天桂山傑伝寺・浄土宗全棟寺,傑伝寺は越前国永平寺27世英峻の開山と伝え,太田道灌が築いたと伝えられる塁跡上に建てられ,境内は6,000坪に及ぶ。また全棟寺は,太田道灌の曽孫輝資の中興開山で,天正19年に寺領5石の寄進をうけたという。高札場は村の中央。小名は郭・辰ノ口・高畑・城下など。明治4年埼玉県に所属。同9年の戸数109・人口622,馬2,川下小船5,荷車14。物産は米・大麦・大豆。当村の飛地が峯村ほか6か村にある。同12年北足立郡に所属,同年東本郷村と改称。現在の川口市大字東本郷のあたり。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7051779