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清澄寺
【せいちょうじ】


天津小湊町清澄にある寺。「きよすみでら」ともいう。日蓮宗。山号は千光山。本尊は日蓮像・虚空蔵菩薩・妙見菩薩・聖観世音菩薩。同宗四霊場の随一。清澄山上にあり,宝亀2年不思議法師の草創と伝える。承和3年慈覚大師円仁が当山に登り虚空蔵菩薩求聞持法を修したといい,この頃から天台宗に属した。嘉保3年雷火のため堂宇を焼失したが,国主源親元により再建された。承久年中には鎌倉二位禅尼の千日講御願があり,宝塔および輪蔵が建立され,大蔵経4,000余巻を納め,塔には如来右眼の舎利と毘首羯摩作の涅槃像を安置した(法華霊場縁起集)。中世前期における学問的雰囲気については,金沢文庫所蔵の聖教類によって察せられ,日蓮は少年時代に当寺で学んでいる(授決円多羅義集唐決/県史料県外)。戦国期には里見氏の外護を受け,慶長15年に里見忠義より166石余を寄進され,次いで寛永13年には朱印177石9斗余を賜った(寛文朱印留)。徳川家康の帰依を受けた頼勢法印のとき以来新義真言宗となる。寛永10年の関東真言宗新義本末寺帳によれば,本寺は地蔵院であったが,のち醍醐三宝院末に変わっている。独礼地であり,住職は触頭円福寺より申し付けられた。昭和24年日蓮宗に帰属し,唯一の管長住職寺で運営は別当職があたっている。約11万5,000m(^2)を有する広大な寺域には杉の巨木が多く,本堂をはじめ,日蓮と弟子日朝を祀る能蔵院,日蓮の最初の師道善坊の墓,妙見堂,明星の井戸,髪塚などがある。本尊の虚空蔵菩薩は日本三大虚空蔵の1つ。国天然記念物に清澄の大スギ,県文化財に清澄寺中門・石造宝篋印塔・石幢・梵鐘・旭森経塚遺物,県天然記念物に清澄のモリアオガエルがある。山頂の旭森には日蓮の大銅像が立っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7055253