100辞書・辞典一括検索

JLogos

38

日本寺
【にほんじ】


鋸南(きよなん)町元名にある寺。曹洞宗。山号は乾坤山。本尊は薬師瑠璃光如来。当寺は鋸山の中腹にあり,関東最古の勅願所といわれる。寺伝によれば,神亀2年聖武天皇の勅願により行基が創建,法相宗に属し7堂12院100坊の威容を誇ったが,その後衰微し,養和年中に源頼朝が再興,元弘元年の兵火で焼失,貞和元年足利尊氏が再建,さらに戦国期に廃退したという。その頃,天台宗に属していた当寺を曹洞宗に改宗したものと思われ,安永・天明年中に9世愚伝が再興を発願,諸方から寄付を集め堂宇を再建。現在,境内の石像は1,200余を数えるが,五百羅漢,百観音,長10余丈の大仏は石工大野甚五郎によると伝える。本尊薬師如来,日光・月光の両尊,十二神将像は行基,大悲堂の千手観音は慈覚大師円仁,大黒堂の石像大黒天は弘法大師空海の作と伝えられる。江戸期には安房延命寺の末寺で朱印15石を有した(曹洞宗通幻派本末記14/寺院本末帳)。寺宝の梵鐘には元亨元年の銘があり,境域10万余坪は県名勝。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7056388