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足柄県
【あしがらけん】


(近代)明治4~9年の県名。明治4年11月府県再編成(3府72県制)により,小田原県・荻野山中県と韮山県・神奈川県の一部を統合して成立。県庁を小田原城の二の丸に,支庁を旧韮山県庁に置いた。県の長官には旧韮山県参事柏木忠俊が就任,参事・権令・県令となり,韮山に生産会社を創立するなど産業の育成に努めた。管轄地は初め旧相模国内の足柄上・足柄下・高座(こうざ)・淘綾(ゆるき)・大住(おおすみ)・愛甲(あいこう)・津久井7郡と,旧伊豆国一円および伊豆七島であったが,成立直後に高座郡を神奈川県へ移管。置県直後の同県戸数6万8,640・人口33万9,582,石高26万石余(地方沿革略譜)。郵便扱所が小田原・箱根・平塚・大磯・吉野・久保沢・厚木にあった。物産は,山葵・鮟鱇・椿油・鮎・漆・海苔・藤布・椎茸・物・赤腹魚・筆草・山椒魚・硫黄・青藤・切石・小麦・烏賊・橙・五色砂利・黄楊木・蛤石・木葉石・雁皮紙・実梅・天草・蜜柑・城山竹・柴胡・梅干・三宅木綿・塩辛・松魚・蚫・八丈紬・炭・茶など。明治7年の戸数7万908(うち寺社2,880)・人口34万4,369うち農業17万8,246・工業5,057・商業7,312・官吏174・神官133など。ほかに雑業2万5,261。中学校数1,小学校数268で教員数男609・女8,生徒数男1万4,851・女5,674(足柄県概表/神奈川県会史)。同9年再度の府県統廃合により,旧相模国6郡は神奈川県,残余は静岡県となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7065549