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小吉島
【こよしじま】


新潟平野の中央部,信濃川と中ノ口川に囲まれる川島名。島南東部が加茂市の須田地区でほかは白根市の全域がほぼ立地する。南北約19km・東西最大幅約4km。通称白根郷は小吉島と北東方にあった大郷島を合わせた呼称。白根市茨曽根の関根家文書には,元亀2年「小吉東島」の名が見える。弥彦神領に小吉条があり,その東にある島の意とするが不詳。小吉島の名は近世当初から見える。島の南端新飯田地区が慶長15年沢海藩領に,北隣の茨曽根地区が慶安2年に村上藩領になったが,大部分は明治期まで新発田(しばた)藩領。新発田藩は元和6年から小吉島組として1島1組の支配体制をとったが,新田開発が進むにつれ,天和年間頃から戸頭組・鵜森組に分けて統治するようになり,小吉の名は次第に使用されなくなった。「越後野志」には「中ノ口島」とあり「一名臼井島,水上新発田より下流鷲木村に至,其間七里許,村落八十一村あり」と記す。周囲を高い堤防が囲み,輪中の様相を呈す。明治期に至り,行政の枠を超えて洪水破堤防止・内水排除を共通の目的とする全島治水組織が結成され,現在の白根郷土地改良区の前身となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7073264