100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

井之上
【いのうえ】


旧国名:甲斐

甲府盆地の東部で,金川扇状地の扇端に位置する。地名の由来は,地内金清寺の廃寺跡にあった井泉にちなむという(国志)。童謡に「甲斐の黒駒井の上そだち,羽根はなけれど,日に千里」とうたわれ,古くは黒駒の牧に連続していたといわれる。東日本最大の円墳といわれる姥塚があり,仲哀天皇の時代に住民500人を動員し,大石を集めて築いたと伝え,また聖徳太子が甲斐に入った時に愛馬が倒れ,その馬を葬ったので御馬塚と称し,のちに転訛して姥塚となったともいう。姥塚を造営した人々が住んだとみられる住居跡144軒も発見され,二の宮遺跡の404軒を合わせると500軒を超える大集落で,二の宮姥塚遺跡と呼ばれる。これは中央自動車道の建設にともなって発掘されたものである。地内にはほかに狐塚古墳・蝙蝠塚古墳・鳴石塚や古墳時代・平安期の扇田遺跡,平安期の山王遺跡・鍬柄田遺跡・天神前遺跡などがある。
井上郷(古代)】 平安期に見える郷名。
井上(中世)】 鎌倉期から見える地名。
井之上村(近世)】 江戸期~明治8年の村名。
井之上(近代)】 明治後期・大正期~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7096096