飯積輪中
【いいづみわじゅう】

養老郡養老町北部にあり,西から東に傾斜している地形に立地している輪中。北側・東側を小畑川が流れ,南側を牧田(まきだ)川が東流している。西側は高位部で大きな堤防はないが,そこにある除(よげ)(水除堤)を含めるとほぼ完全な懸廻堤をもつ。堤内には金屋・直江・飯積の各集落がある。宝永6年に,この付近の治水工事がなされた時,8か村約定の中の1つとして飯積輪中堤は小畑川対岸の祖父江(そぶえ)堤より高くしないこととする約定が取り交わされた。この輪中の中で高位部にあたる牧田川沿いの直江・金屋両村寄りを囲むように除があったが,この除の堤を洪水の時,切り開いて輪中内の低位部である飯積村方面に流したことで元禄5年争いが起こっている(養老町史史料編下)。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7104375 |