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大白川
【おおしらかわ】


「大白河」とも書き(後風土記),「おおじらかわ」ともいう。大野郡白川村南部を東西に流れる庄川の支流。河川延長約17km(河川法区域延長約12km)。白水(はくすい)の滝のある大白水谷(だいはくすいだに)川と湯谷の合流点より下流をいう。白山の東斜面に源を発し,湯谷・ワリ谷・間名古谷・アワラ谷・姥ケ谷の水を集めて白川村平瀬で庄川(しようがわ)に注ぐ。上流部にある白水の滝は日本三名瀑の1つ。「後風土記」には「滝より上を白水谷,滝より下を大白川と云」とある。天保12年6月飛騨郡代の命により白山に登った土屋秀世・山崎弘泰は,平瀬から大白川をさかのぼっており,飛騨側登山路開拓の先駆者といわれる。その紀行文「山分衣」には「此国におきてもまたなく荒き川にて,ただいささかの淀みもなく,その高嶺の白雪を,さながらにおし流すらんが如く,岩こす波,水晶のやうにわきかへりて,たぎち流ぬところなし」とある激流であり,水清く渓谷美に優れる流域の大部分は白山国立公園内にある。また発電にも利用され,大正15年には中流部に平瀬発電所の取水口が設けられていた。昭和38年には上流部湯谷に高さ95mの大白川ダムが建設されて白水湖が生じ,ダムの水は東の山を隧道で通し,御母衣(みぼろ)第二発電所で発電に利用された後,御母衣湖に注いでいる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7104906