小和田
【おわだ】

旧国名:遠江
(中世)戦国期に見える地名。遠江(とおとうみ)国佐野(さや)郡のうち。元亀2年3月4日の武田信玄感状(孕石文書/大日料10-3)に「一,拾弐貫六百文……小和田・萩間・たんま」とあるのが初見。この年,徳川氏と抗争関係に入った信玄は,永禄12年の今川氏真没落以来武田氏に属している今川家旧臣孕石元泰に,当地以下を戦功の恩賞として給付した。その後天正5年閏7月12日には武田勝頼が,元泰の一族の孕石和泉守に当地を安堵している(残篇)。当地は江戸期の大和田村につながると思われ,付近に小和田前なる地名もある。現在の掛川市大字大和田(おおわだ)付近に比定される。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7110566 |