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久能村
【くのうむら】


(近代)明治22年~昭和9年の有渡(うど)郡の自治体名。南は駿河(するが)湾に面し,北は急峻な有度山を背負う。西平松・中平松・古宿(ふるやど)・青沢・安居(あご)・根古屋の6か村が合併して成立。大字は旧村名を継承。大谷村との組合村役場を大谷村大字大谷に設置。明治24年の戸数629・人口4,792,船116。村名は当村の背後に久能山があり,古来この地域を久能と称していたことに由来する(静岡県安倍郡誌)。同34年頃大字根古屋の川島常吉が石垣イチゴの栽培にはじめて成功,同41年大字安居の石垣半助が静岡市に出荷,以後温暖な気候を利用した当地の石垣イチゴの栽培は全国的に有名となった(静岡いちごのあゆみ)。明治42年の有職者数1,006人のうち製塩業675・農業725・漁業550・商業60・工業50・雑業85(久能村誌)。明治38年専売法の施行に伴い製塩業に代わり甘蔗や石垣イチゴのほかキュウリ・ニンジンなどの蔬菜類の促成栽培が盛んとなった。また漁業も盛んだった。行商人が多く,明治42年男6・女328を数えた(同前)。大正9年の世帯450・人口3,153。昭和9年静岡市に合併。各大字は同市の大字として存続。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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