100辞書・辞典一括検索

JLogos

46

形原遺跡
【かたはらいせき】


蒲郡(がまごおり)市形原町字西中田に所在。縄文早期と後期を主体とする遺跡で,縄文前・中・晩期と弥生時代から中世にかけての遺物が出土した。蒲郡市の南西部,三河湾に注ぐ袋川右岸の標高約26mの緩やかに西から東に傾斜する隆起扇状地的低位丘上に位置する。昭和55年袋川改修工事に伴う発掘調査により,多量の縄文式土器や石器が出土し,16基のピットと12~13世紀の2本の溝を検出した。縄文式土器は早期の粕畑式土器が4,800片,後期の土器が3,750片と多く,早期の押型文土器が2片,前・中期の土器が90片,晩期の土器が12片である。石器は23点と少なく,石鏃・石錘・削器が出土した。縄文後期中葉の小範囲の貝層からはスガイ・キサゴ・ハマグリなどの貝やサメ類・イワシ・シカ・イノシシなどの獣魚骨が検出され,自然環境を解明するのに貴重な資料となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7117143