矢頭峠
【やずとうげ】
一志(いちし)郡の一志町波瀬(はぜ)と美杉村下之川の間にある峠。標高360m。主要地方道一志美杉線が通る。矢頭山の中腹にあるので名づけられたという。昔仁王門があり,仁王峠ともいわれ,津市の恵日山観音寺の仁王像(戦災で焼失)はここのものであったという説もある(波瀬のすがた)。中世伊勢国司北畠氏の本拠地多気(たげ)と伊勢平野を結ぶ重要な道路の1つで,関所が置かれた。比較的短距離で難所も少なく,米・塩・干魚が運ばれた。北麓にキャンプ場と県天然記念物の矢頭の大杉がある。
 | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7129711 |