水谷越
【みずたにごえ】

別称雲母(きらら)越。大津市坂本本町から日吉大社を経て,比叡山延暦寺根本中堂など堂坊中心部に登り,根本中堂駐車場から四明(しめが)岳(838m)北側の雲母峠(約750m)を越えて登山鉄道ロープウェイの下を横切って雲母坂を登り,京都市の修学院付近に下りる山道。古代から最近まで坂本・延暦寺・京都を直結した最重要幹道で,高僧をはじめ延暦寺関係者の通行道。僧兵が,日吉山王七社の神輿を山上にあげ京洛に強訴した道でもある。現在,大正13年のケーブル開設や,昭和33年開通の比叡山ドライブウェイによって,京都側の山道はすたれ登山道となったが,滋賀県側は,県道比叡山線(316号)として利用されている。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7135314 |