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蓮台野
【れんだいの】


旧国名:山城

船岡山の西から紙屋川に至る野をいう。京都七野の1つ。「山城名勝志」には「蓮台寺北千本通西,惣土手内,今云蓮台」と記され,その範囲が比定される。地名の由来について「野守鏡」には,定覚上人が恵心(源信)僧都の始めた二十五三昧会を「うらやみて又おこなひ侍りけるに蓮花化生したりけれは法界してこの所にて墓をしめん人をは必引接せん発願したりけるより蓮台野と名付て一切の人の墓所となれり」とあり,「扶桑京華志」では「寺有リ号九品蓮台寺ト曰フ,因テ名ク」とされている。現在上品蓮台寺が紫野十二坊町に千本通に面して存するが,十二坊町の地名は同寺の支院が12坊存したことに由来し,千本通の名は,同地に10世紀中期,菅原道真左遷の供養として1,000本の卒塔婆をたてたことによるともいう。蓮台野は平安期には,東山の鳥辺野,西の化野とともに葬送の地であった。「後拾遺集」に「円融院の法皇うせたまひて紫野に御葬送侍りけるに,一とせこの所にて子日せさせ給ひし事など思ひ出てよみ侍りする 左太将朝光 紫の雲のかけても思ひきや春のかすみになしてみむとは」とあるが,この「紫野」は蓮台野のことであり,当地が紫野の一部であったため,ほかにも「紫野」として当地を詠んだものがある。なお,京中より丹波方面への出口長坂口へは当地を経た。
蓮台野(中世)】 鎌倉期から見える地名。
蓮台野村(近世)】 江戸期~明治8年の村名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7146980