雁屋浜
【かりやはま】

現在の四條畷(しじようなわて)市雁屋南町の大阪外環状線付近にあった寝屋川水運の船着場。雁屋は旧南野村を構成する１集落で，本郷が飯盛山麓の段丘上に位置しているのに対し，雁屋は沖積面の低地に位置している。もとの深野池の沿岸にあり，同池干拓後は寝屋川から約800m離れたため，雁屋井路から五軒堀川に出て寝屋川へ流入した。当浜は在郷剣先船の船株２艘を所持した。延享２年の郷中明細帳には「一，当村川船弐艘御座候，右川船之儀は，御公儀様に御役銭差上申候，并，御公役相勤申候」とある。代々運船に当たった船橋家が廃業したのは昭和７年で，この年が当浜の終焉であった（四条畷市史）。明治初期に船問屋１軒，運船大小６艘，上流蔀屋浜へ11町，下流角ノ堂浜へ20町の距離であった（府統計書）。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7148781