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堺港
【さかいこう】


堺市の旧港。中世から近世初頭にかけて,日明貿易・南蛮貿易の商港として繁栄をきわめたころは,現在の堺市海山町1~7丁(南海本線七道駅南西)付近に位置した。応仁の乱のさなか,西軍の占領する兵庫港を避けて遣明船が帰港し,それ以降,遣明船は堺港から発着するようになった。堺商人は明のほか,ルソン・安南・シャムなどへも往来し,16世紀にはスペイン・ポルトガルとの南蛮貿易の一大中心港となった。江戸期に入ると,幕府の鎖国政策のために,さらに宝永元年の大和川付替工事による港の内外での土砂堆積によって,商港としての機能は衰えた。現在,大浜公園の北側にある内港は,寛政年間,堺港復興のために幕府の許可を得て,田中治兵衛・吉川俵右衛門らの商人が構築したもの。明治以降も地元の篤志家によって改良工事が行われたが,昭和9年の室戸台風で壊滅的被害を受け,昭和11年には大阪府が改修に着手した。第2次大戦後の高度経済成長期に入ると,堺港臨海工業用地造成計画が新たに立案され,工業港としての拡充工事が進められた。昭和44年には,公共埠頭の整備促進と管理運営の適正化の見地から,泉北港との統合が行われ,特定重要港湾・堺泉北港となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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