酒屋神社
【さかやじんじゃ】
松原市三宅にある神社。延喜式内社。旧村社。祭神は津速魂(つはやたま)命。権現とも呼ばれた(五畿内志)。三宅はかつて依網屯倉のあった地で,「日本書紀」仁徳天皇43年9月1日条には依網屯倉の阿弭古が異鳥を捕え天皇に献じたがそれが鷹であったので鷹狩りをしたことが見え,また皇極天皇元年5月5日条にも「於河内国依網屯倉前,召翹岐等,令観射猟」とありこの依網屯倉は狩猟と関係が深かったと考えられる。創祀は未詳だが,社伝ではもとの社域の北に酒蓋池があり,この池の東北隅に古い井戸があって,ここから酒屋の神が出現したという。「新撰姓氏録」河内国神別に「中臣酒屋連,同神(津速魂命)十九世孫真人連公之後也」とあることから,当社は酒屋連の氏神であったと思われる。「三代実録」貞観7年12月26日条には「河内国正六位上酒泉神従五位下」とあり,諸写本も酒泉神とあるが当社のことと考えられる。ただし「延喜式」神名帳丹比郡条には「酒屋神社〈鍫靫〉」と見えるが,以後の沿革は未詳。明治40年に屯倉神社の境内に社地を移転した。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7149937 |