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八軒家
【はちけんや】


現在の大阪市東区京橋1~3丁目の天満橋と天神橋の中間にあった淀川の船着場。京都へ向かう淀川河川交通のターミナルで,「摂津名所図会大成」には「八軒屋舳岸(ふなつき)」と書かれ,「此地は京師上下の埠頭にして其通船を卅石と号す,是は積ところの石数を以て名とする,当津より城州伏見にいたる,其流凡そ十里,淀川を往返す,朝に大坂に乗て夕に着,これを昼船といふ,夕に乗て朝に至るを夜船といふ」とある。さらに続けて埠頭には物売り・船宿の女・馬方・乗客・水主などが「皆口々に聒(かしましく)昼夜を別たず驚(さわ)がしきは繁昌の証といふべし」と活況ぶりを伝えている。鉄道の開通とともに淀川水運が衰退し,その活況も失われていった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7152906