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伊弉諾神宮
【いざなぎじんぐう】


津名郡一宮町多賀にある神社。延喜式内社。淡路国一宮。旧官幣大社。祭神は伊弉諾尊・伊弉冊尊。通称は「いっくさん」。「古事記」「日本書紀」に,伊弉諾尊が神功をおえ,淡路国に幽宮を建てて隠れたのが創建と伝える。社伝では現在の本殿の下がその陵墓という。大同元年封戸13戸を給され(新抄格勅符抄),貞観元年正月に無品勲八等伊佐奈岐命に一品を授けた(三代実録)。「延喜式」神名帳には淡路国津名郡九座のうちで「淡路伊佐奈伎神社〈名神大〉」とある。天慶3年9月に神封5戸を加えられた(新抄格勅符抄)。貞応2年4月の淡路国大田文の津名郡郷家郷に「一宮社一所,同神宮寺一所」と見える(鎌遺3088)。「大日本国一宮記」にも「伊佐奈岐神社〈号多賀社〉」とある(群書2)。弘安3年地頭藤原田村仲実が社殿を再興し,以来,地頭や領主による本殿・社殿・拝殿・宝殿などの造営や再興が続いた。とりわけ蜂須賀氏は再三にわたり直参・代参をし奉幣した。明治4年国幣中社,同18年官幣大社に列格。昭和29年神宮に昇格。例祭は4月22日で,神輿・だんじりによる神幸がある。特殊神事として1月15日に粥占祭がある。社宝として縁起書2巻(万治元年・寛文9年),弘安元年以降の20余の棟札,古剣,勾玉,古鏡,古瓦などを多数所蔵する。当社の社叢は,海岸近くの沖積平野に発達する典型的な植生で,各種温暖性樹林が繁茂し,県の自然環境保全地域に指定されている。境内の夫婦クスは樹齢約750年といわれ,県天然記念物。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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