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鹿塩
【かしお】


旧国名:摂津

仁川の支流小仁川上流域。地名の由来に関して,次の伝承がある。昔,ここの氏神の秋の例祭に大和の春日大社は雌雄の鹿を使いとして供物を送るならわしであった。ある年,使いの雌鹿が姿を消し,雄鹿はそれを悲しみ村中を訪ね歩き,ある井戸水に映る自分の姿を雌鹿と見誤り,その井戸に身を投じて果てた。村人がそれをあわれがり,雄鹿を塩に包んで春日社に送り返してやった。それから村の名を鹿塩と呼ぶようになったという。「摂陽群談」には「毎年正月に塩漬けにした鹿を贄として西宮戎社に供えたのでこの里を鹿塩といった」とある。また一説には,当地が西方樫ケ峰の尾根のふもとにあたるところから樫の尾が転じて鹿塩になったともいう。
鹿塩村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
鹿塩(近代)】 明治22年~現在の大字名。
鹿塩(近代)】 昭和42年~現在の宝塚市の町名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7156924