100辞書・辞典一括検索

JLogos

37

新沢一町遺跡
【しんざわかずちょういせき】


橿原(かしはら)市一町に所在する曽我川上流域における弥生時代の母集落跡。貝吹山西麓の標高75m前後の曽我川右岸段丘上に立地する。大正から昭和期にかけて断続的な発掘調査が行われ,後期を中心とした多くの竪穴群が検出され,土器・石器・自然遺物が豊富に出土した。中期後半の木の葉状透孔のある脚台をもつ優美な水注形土器は国重文で,橿原考古学研究所附属博物館に保管されている。昭和45年には遺跡の北端部が調査され,後期の環濠らしき溝も検出され,同59年には南端部の発掘調査が行われたことによって,東西約200m・南北約500mにおよぶ大規模な集落遺跡であることが判明した。出土遺物も前期から後期に及び,曽我川上流域の継続型拠点的母集落と考えられている。出土遺物は橿原考古学研究所と橿原市千塚資料館に保管・展示されている。参考文献に,「高市郡新沢村大字一石器時代遺跡調査」(奈良県史蹟名勝天然記念物調査報告10)がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7167531