100辞書・辞典一括検索

JLogos

34

鍵掛峠
【かっかけとうげ】


日野郡日南町新屋から広島県西城町上市場へ越す峠。標高750m。道後山山塊西側の鞍部にある峠。比婆道後帝釈国定公園地域内。古くは備後街道が通り,鈩(たたら)の鉄や銀の生産にわく奥日野地方へ多くの商人・駄馬が出入りした。明治期以降はクローム鉱も加わった。当時,多里宿より馬・人足を雇い峠越しで三坂(上市場)まで8時間を要した(日南町史)。昭和40年国道183号に昇格したが,冬期は不通であった。同41~47年峠を含めたバイパスが完成し,通年利用が可能となる。峠名の由来は定かでないが,古老の話によると,昔この峠で荷駄の銀をねらう盗賊が出没するので,大庄屋が峠で鍵を掛けよとおふれを出したためという。旧道の険しい坂道を下るのにがけかけし,これがかっかけになったとも考えられる。峠地蔵と昔の茶屋にあった榎の古木が残る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7174798