崎港
【さきこう】

隠岐(おき)郡海士(あま)町大字崎(さき)にある第２種漁港。中ノ島の東南岸の湾入に立地。「和名抄」の佐作郷の地で，佐作は藤原宮・平城京址出土の木簡には前の字があてられているので「さき」と訓ずるのが正しい。隠岐の南岸の風下地域に位置しているので古代以来の漁業地域で，アワビ・ナマコ・ウニ・ノリ・ワカメ・イカの漁獲が多く，漁港として繁栄した。承久年間に後鳥羽上皇隠岐配流の時の上陸港で，上皇は崎港から国原を越えて苅田(かつた)の行在所に赴いた。江戸末期には崎港には番所が設けられて海防拠点となった。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7179188