菱浦港
【ひしうらこう】

隠岐(おき)郡海士(あま)町にある第１種漁港。鏡浦(かがみうら)と称する円形の湾入部に立地。各方面の風を防ぐため西廻り海運の発達に伴って避難港として重視され，西ノ島の浦郷(うらごう)港・別府(べつぷ)港と並ぶ島前(どうぜん)地区の繁栄港となった。この港は中ノ島の門戸として近代に入って整備が進み，大型貨客船・フェリーボートの接岸が可能となった。ラフカディオ・ハーンの「日本瞥見記」には，隠岐において最も好ましい港と記されている。隠岐汽船の発着港であり，また西ノ島・島後(どうご)を結ぶ連絡線の基地でもある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7180894