別府港
【べっぷこう】

隠岐(おき)郡西ノ島町別府湾頭にある港。別府湾は東側は中ノ島，西側および北側は西ノ島によってさえぎられ，南に開口しているので，浦郷(うらごう)港と同様に帆船時代には日本海航行船の避難港であった。別府は隠岐島島前(どうぜん)地区の中央に位置しているので，近世には島前代官所の所在地であった。スルメ・長崎俵物の集荷地で，別府村庄屋がその問屋業務を行った。別府の南方にある大山脇(おおやまわき)港は別府港の港域に含まれ，近世には別府とともに避難港として利用された港である。この地に残る船宿帳には万治年内以降の帆船の出入が詳記されている。別府港は現在県管理の地方港湾として整備がはかられている。また隠岐航路の寄港地，島前各島，島後(どうご)への連絡基地として重要な港である。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7181119